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突き詰めても、突き詰めても、つまりは不完全性思考
by hirokira1
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2005年 06月 29日
適切な引用の効用
例によって、随分と御無沙汰してしまいました。

暑いですね。

もちろん日々忙しいということもあるのですが、最近はすっかり夏バテ状態で、息も絶え絶えの生活でして・・・。

Hotwired Japanの白田コラムの最後にある
「次回は知財ネタを... と考えてますが」
というフレーズを読んで、今のテーマのまとめをあと一ヶ月待つ!?という選択肢も考えてみたのですが・・・やっぱり自分の言葉でまとめないといけませんよね(苦笑)。

ちなみに、白田センセも最近剽窃の被害に遭ったとか。
こちらの犯人もTBS関係者というのは恐らく単なる偶然でしょうが、居直り・しらを切るという辺りまで同じパターンというのもなんだかなぁ。
きっと、こういうのも氷山の一角に過ぎないんでしょうね。



白田秀彰 の 「インターネットの法と慣習」
「第20回 意思主義とネット人格・キャラ選択時代」~Hotwired Japan
(参照→http://hotwired.goo.ne.jp/original/shirata/050607/textonly.html

--------

さて、本題。

前回の文章に対して、何人かの方からコメントを頂戴したのですが・・・。

正直、「盗用」とか「パクリ」という言葉が普通に“自分にも当てはまるのでは?”と考える(ある意味では非常に謙虚な)姿勢には随分と驚いてしまいました。

前回の「剽窃」「盗用」はもちろん、前々回の「著作権を過剰に主張すること」も、創作行為に対する極めて極端な態度の一例として書いてみたつもりです。

先行する優れた作品に「どこか似てしまう」のは、ある程度やむを得ないところがあります(むしろそういうものだ、というのが前々回の話でしたし)。

一方、他人の作品をあたかも自分のもののように“掠め取る”「剽窃」や「盗用」のような行為は、自覚の程度に差こそあれ、何らかの「悪意」がなければ到底行うことができるものではありません。

他人が創ったものをあたかも自分が創ったものであるかのように「偽る」。

この「偽る」には、自分が創作行為を行っていないのにあたかも行ったかのように「偽る」ことと、その創作物に対して与えられるべき評価を実際に創った人でなく自分に向けさせるように「偽る」ことの両方の意味が含まれています。

最低限の良識を持っている人であれば、うっかり「剽窃」や「盗用」を行ってしまうということはまずあり得ないのです。
というわけで、上記のようなコメントをくださった方々、「心配無用」です。


とはいうものの、そういう極端なケースは別にしても、実際にどこまでが「適切な」範囲なのかということについて、皆さん不安なのだろうと拝察いたします。

そこで、ご存じの方には常識的なことですが、「適切な引用」について補足しておきたいと思います。

一般には、以下のようなポイントを押さえておけば、「適切な引用」になるというのが一般認識です。

「(1)他人の著作物を引用する「必然性」があること。
 (2)かぎ括弧をつけるなど,「自分の著作物」と「引用部分」とが区別されていること。
 (3)自分の著作物と引用する著作物との「主従関係」が明確であること(自分の著作物が主体)。
 (4)「出所の明示」がなされていること。(第48条)」
(以上、文化庁ウェブサイト、「著作権制度の概要」>著作物が自由に使える場合、注4より)
(参照→http://www.bunka.go.jp/8/2/VIII-2-C.html

日本の著作権法では、第32条に
「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」
という、引用に関する規定があります。

適切な引用を行う場合、引用される元の作者(厳密には著作権者)に対して引用の許可を求める必要はありません。

これについては、前回も紹介した松永英明氏の以下のエントリが参考になります。
「「引用」は無断でやるのが当たり前」~絵文録ことのは・松永英明氏
(参照→http://kotonoha.main.jp/2003/12/12.html

あと、実際にレポートや論文を書くにあたっては、次のサイトも参考にするとよいでしょう。
「引用について理解する」~KITIE・慶應義塾大学日吉メディアセンター
(参照→http://www.hc.lib.keio.ac.jp/ilp/kitie/cite/basics/index.html

「適切な引用」を行うことは、有益な情報を適切に利用することであり、さらに豊かな考察や表現を生み出すために必要な手続きであると思います。

他人の創作物を利用するからといって、妙に萎縮する必要はありません。
むしろ「適切な引用」によって新しい創作物を生み出すことは、もとの引用された創作物の価値を同時に高める場合も多いのです。

というわけで、「適切な引用」はじゃんじゃんやりましょう!

以下、前回までと合わせてのまとめは後日書き足すということで・・・(未完)。

【8/20 23:15 追記】
結局、書き足す代わりに新しく別の日記にしてしまいました。
それから、白田先生のコラムは知財ネタじゃなくて、刑法についてのより根源的な話になってます。
(参照→
http://hotwired.goo.ne.jp/original/shirata/050720/textonly.html
実は知財ネタのための前フリだったりして・・・まさかね(苦笑)。
by hirokira1 | 2005-06-29 00:24 | Cafesta過去ログ
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