突き詰めても、突き詰めても、つまりは不完全性思考
by hirokira1
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2005年 02月 07日
原発がどんなものかを知るために(下)
「一太郎」訴訟におけるジャストシステムの「敗訴」はあちこちで波紋を広げている様子ですが、このニュース、テレビや新聞を読んでいるだけでは今ひとつ何が起きているのかがわかりにくいですね。

備忘録代わりに、読んで役に立ちそうな記事を2つばかり。

「一太郎訴訟、とほほ」~極東ブログ by finalventより
(参照→http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2005/02/post_1.html

「「一太郎」訴訟にみるソフトウェア特許のぶざまな現状」~CNET Japan Blog - 江島健太郎より
(参照→http://blog.japan.cnet.com/kenn/archives/001985.html





要はここで争点になっているのはユーザーインターフェイス(ルック&フィール)の問題であって、そんな特許で訴える松下も、それを受けて販売差し止めだの製品廃棄だの言い立てる裁判所もどうしようもなく勘違いしている、ということらしいです。

まあコンピュータ上の操作なんてただでさえ面倒なのに、特許なんぞ振りかざしてさらにややこしくする会社の『知財立社』なんて、百害あって一利なし。

ひとまずこれがファイナルアンサーということでいいでしょうか?

--------
さて本題。

随分前に書きかけて、まだ完結していない話題があります。

「原発がどんなものかを知るために(上)」
「原発がどんなものかを知るために(中)」

まあ、当時を知る方ももうあまり残っていないですし、(中)までである程度書きたいことは書いちゃったのですが、一応形式美ということで、ここに完結させておくことにしましょう。

ネット上のあちこちで引用されている、平井憲夫氏のものとされる「原発がどんなものか知ってほしい」という文章について、異なるバージョンの内容を比較してその成立と意義について推察する、というのがこれまでの話でした。

以下、残された課題として、この文章を批判する時に引き合いに出される「EiFYE原子力発電所」の顛末とその背景について考えてみたいと思います。

「EiFYE原子力発電所」というウェブサイトを運営していたのは、かつて実際に原発の現場で働いていた電力会社の社員の方だったようです。
サイトのプロフィール欄に
「このホームページは「メイドさん」と「ウェイトレスさん」と「原子力発電」をコンセプトに建造されています」と書かれているように、会社とは全く無関係に、同人誌・コミケ活動(具体的には知り合いにそういう人がいないので想像の域を出ないのですが)の一環として原発ネタを扱っておられたようです。

もっとも、今閲覧することの出来るFAQの内容を見る限り、その内容は極めて真面目かつ本格的なものですから、おちゃらけというよりは、むしろ原発というものを少しでも身近な存在として紹介する手段として、そういうアプローチをとっていたと考えた方がいいかも知れません。
FAQの内容から見て、相当数の反対意見が寄せられていたのでしょうが、少なくとも原発で働く人に「原発なんて危なくってやってられないよ~」などと言われた日には、恐ろしくって日本に住んでなどいられないわけで、そう考えると彼が原発擁護の立場から反論するというのは極めて筋が通っていると思います。

ところがそういう活動を好ましく思わない人がいたのか、事もあろうにEiFYE氏の勤める電力会社の窓口に苦情が持ち込まれることになってしまいました。

「EiFYE原子力発電所」閉鎖に至る事情については、以下のInternet Archiveに残された最新のキャッシュデータ(2002年7月30日収集)で読むことができます。
(参照→http://web.archive.org/web/20020730101748/http://www.asahi-net.or.jp/~NJ6R-AB/

ちなみに、さきの平井氏のものとされる文章に対する検証については、キャッシュデータとしては残されていないようです。
そちらについては、(上)で紹介した「妖精現実 フェアリアル」の方で御確認ください。

会社の方に苦情を持ち込んだのがどのような人物で、持ち込まれたのがどういう内容の苦情だったのか、知る術はありません。
ただ、仮にそれが原発反対の信念に基づくものだったとしても、その行為自体は極めて愚かしいものであったと断言せざるを得ません。

言うまでもなく、原子力発電に関連して起きるかも知れない事故や放射能漏れに対しては、多くの人々が不安に感じているところです。
その原因としては、不安の対象が放射能という目に見えない脅威であるということ、原子力発電重視路線に固執する政府や電力会社への不信感などが挙げられますが、それ以上に「自分たちは原発について十分に知らされていないのではないか?」という情報の欠乏感があるように思われるのです。

実際、原発に関する情報の隠蔽はしばしば問題になっています。
端的な例として、「EiFYE原子力発電所」閉鎖の直後に発覚し、全17基の原発を停止させて総点検を余儀なくされた、東京電力の原子炉異常隠蔽事件があります。
とりあえず参考になるサイトを挙げておきます。

■団藤保晴の「インターネットで読み解く!」
時評「東電原発異常隠しとマイナスイオン」
(2002/09/02)
(参照→http://www.dandoweb.com/backno/20020902.htm
第126回「東電事件でエネルギー政策は破綻へ」(2002/10/31)
(参照→http://www.dandoweb.com/backno/20021031.htm

■新潟日報「東電トラブル隠し」
(参照→http://www.niigata-nippo.co.jp/rensai/n10/n10.html

「EiFYE原子力発電所」が存続していたとしてもこの事件でやはり大変な状況になっていたことは想像できるのですが、それでもなお、EiFYE氏ならどのように対処したのか、実際に見てみたかったと思います。
彼の勤め先である東京電力という会社について言えば、残念ながら彼のようにオープンに原発の議論をするという志向性とは相容れないようだ、と判断せざるを得ません。
それでも、少なくとも現在確認できる彼の文章を見る限り、彼だけは不誠実な対応を取らなかっただろうと確信できるだけに、ただただ残念でなりません。

自らに都合の悪い情報を隠そうとするのはどの業界・団体でもある程度共通する傾向なのかも知れませんが、こと原子力発電に関する限り、その傾向を後押しする要素が少なくとも2つ、存在すると思います。

・国策として原子力発電を重視する方針を採っていること
・国際政治におけるウラン燃料・プルトニウム燃料の特殊性


当然ながら両者は密接に絡み合っているはずです。
特に後者については核兵器保持との関連もあり、真正面から議論しようとすればいろいろとややこしい問題が絡んできます。
だからなのか、政府あるいは政治家で、この問題に正面から切り込む人はあまり見かけないように思えます。
多くの人々が情報不足に不安を抱くと共に、国に対して不信感を抱くのも無理からぬところでしょう。

また団藤氏のサイトには次のような記事もありますが、
第144回「原発後処理は道路公団以上の無展望」 (2004/04/15)
(参照→http://www.dandoweb.com/backno/20040415.htm

原発の後処理にかかる費用が、既に使ってしまった後になってから"後出しじゃんけん"のようにどんどんふくれあがっていく様がうかがえます。
数年前までは「原発が一番経済効率がよい」などと盛んに宣伝していたことを思い起こせば、これで原発行政を信頼せよという方が無茶というものです。

いずれにせよ、まず判断するに足る十分かつ良質の情報がない限り、原発の是非などというものを問うことなどまず無意味です。
その意味では、平井氏の「講演」なるものが一人歩きすることも、「EiFYE原子力発電所」が閉鎖に追い込まれたことも、「原発がどんなものかを知る」ことを邪魔しているという意味では同じく批判されるべきことでしょう。

複雑な政治的問題に絡むだけに、「賛成」「反対」という立場からスタートするのではなく、まず相互の対話と事実認識のすり合わせという作業から始めなければいけないのだと思います。

私自身の印象で言えば、もし平井憲夫氏がご存命で、EiFYE氏と面と向かい合って話をする機会があったとすれば、意見が完全に一致するまでは行かなくても、それほど話が食い違うことはなかったのではないか、と思っています。
それぞれの立場を理解し合った上で、お互いに「頑張れよ」なんて雰囲気になるんじゃないかと想像するのですが・・・皆さんは如何思われますか?
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by hirokira1 | 2005-02-07 07:54 | Cafesta過去ログ
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