突き詰めても、突き詰めても、つまりは不完全性思考
by hirokira1
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2005年 01月 17日
民主主義の根幹とは
考えれば考えるほど、憂鬱になってくる話です。

NHKの番組制作にまつわる政治介入の問題です。

詳細については既に一通り報道済みですから、大抵の方はご存じのことと思います。
私のページではおなじみのMAMO氏がこの件については丁寧にまとめているので、ひとまずそちらを参照していただければ大体の論点については把握できるでしょう。

「NHKに政治介入。政府高官が圧力・干渉、番組内容を改変。受信料問題に影響も。ETV「裁かれた戦時性暴力」で」~すべてを疑え!!MAMO's Siteより
(参照→http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mamos/tv/nhk2.html

初期の報道を見てみると、13日に行われたプロデューサーの会見の前後で告発された側、特に安倍・中川両氏の見解が変化していることが見て取れます。
この辺りの齟齬を、第一報を報じた朝日新聞の「事実歪曲」として処理しようとしているのが現時点での流れのようなのですが、どう考えてもそれでは不自然な部分が残ってしまうのです。





現時点では憶測に過ぎませんが、当初は大した問題と考えていなかったのが予想外に重大な問題だということに気づき、告発会見内で介入の事実が「伝聞」の形でしか紹介されていなかったことにつけ込んで「介入」の事実自体を否定しようと辻褄を合わせたのでは?と疑わざるを得ません。
安倍氏も会見前にあれこれコメントを出したため、「事前に面会した」事実は認めていますが、それがなければ中川氏同様、2月2日に初めて会ったことになっていたかも知れません。

まあ以上はあくまでも確証のない「憶測」に過ぎませんから、これ以上は深入りしません。
ひとまず会見以後の公式見解のみに限定して考えて見たいのですが、それでもなお不可解な点がいくつも出てきます。

まず、安倍氏の主張するようにNHKの幹部が向こうからやってきて勝手に番組の内容について説明し、それに対して「公平公正に」と注文をつけただけだとしても。
それは政権与党による「事前検閲と紙一重」であって、民主主義社会における「言論の自由」を揺るがす危うい行為だということは間違いないことです。
これについては理解していない方が多いようですが(他ならぬ安倍氏が理解していない、いや理解するわけにはいかないのでしょうが・苦笑)、MAMO氏が丁寧に解説しているところですので、上のURLから是非御一読ください。

また、この際NHKの幹部が「予算の説明を行う際にあわせて番組の趣旨や狙いなどを説明した」ということになっていますが、
(参照→http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/otherpress/002.html
なぜ予算の説明なのに特定の、それも放送前の番組の説明をしなければならなかったのか、全く説明されていません。
「正確な記録は残ってい」ないにもかかわらず、報道機関の政治的中立性を疑わせるような行為を公式に認めているわけですから、そうせざるを得ない「特別な」理由があると考えるのが自然な見方でしょう。

さらにNHKについては、プロデューサー氏が調査を要求したという「コンプライアンス(法令遵守)推進委員会」がその後どのような活動を行ったのか、公開する必要があるように思います。
何と言ってもNHKの信頼回復を担う柱の一つですから、これが政治的な判断で機能停止するとなれば、ますますNHKの存在意義が揺らいでしまいます。

その後の安倍氏の発言を見ていると、北朝鮮の「謀略説」を絡めて反撃に転じているようで、早くも近井氏がサイト上で危惧しているところです。
「安倍晋三氏の手法に再び異議あり」
(参照→http://www2.oninet.ne.jp/hchk/abeshinniigi-690.html

安倍氏の発言とされる内容を見ると、およそ被害妄想としか思えない指摘も含まれているように思えるのですが、真面目に北朝鮮問題を考えている人たちは保身のためにこの問題を持ち出す手法に違和感を感じないのでしょうか?

まあそれだけ安倍氏が「必死」だということだけは間違いなさそうですが、私が気になるのはこうした政治家側の対応より、むしろそれに対する世論の反応だったりします。

ひとまず主要全国紙5紙の社説が出揃ったようなので、並べてみましょう。

■朝日新聞・2005年1月13日付
「NHK――政治家への抵抗力を持て」

(参照→http://www.asahi.com/paper/editorial20050113.html

■日本経済新聞・2005年1月14日付
「公共放送の独立性を貫け」

(参照→http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20050113MS3M1300R13012005.html

■毎日新聞・2005年1月15日付
「NHK特番問題 政治に弱い体質が問題だ」

(参照→http://www.mainichi-msn.co.jp/column/shasetsu/archive/news/2005/01/20050115ddm005070150000c.html

■読売新聞・2005年1月15日付
「NHK番組問題:不可解な『制作現場の自由』論」

(参照→http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20050114ig91.htm

■産経新聞・2005年1月15日付
「NHK慰安婦番組 内容自体も検証すべきだ」

(参照→http://www.sankei.co.jp/news/050115/morning/editoria.htm

見出しを見ただけでも、見事に色分けされてますが・・・。
これまでの報道姿勢から、これを「予期された結果」と思う方が少なくないかも知れませんが、この問題に関してはそれでは困るのです。

番組の内容自体に対しては、私自身は直接には論評する資格がありません。
そもそも実際に見てませんから。
しかし、どんなに偏った内容の番組であっても、事前検閲のような手段によって放送される以前の段階で外部から手が加えられるようなことがあってはならないのです。
内容が偏っているか否か、採用されるべき意見か破棄されるべき意見かは放送された後にオープンな場において民主主義的な検証プロセスを経て決められることです。
いやしくも「民主主義」を標榜するならば、どんなに偏った意見であっても、その「民主主義的な検証プロセスを経る権利」を体を張って守らなければなりません。
それこそが「言論の自由」の持つ意味であり、マスメディアの使命なのですから。

こうした報道を受け止めて「検証プロセス」に参加するはずの一般人の反応については、もちろんほんの一部しか見ていませんが、かなりの人々にとっては「どっちが正しいか」というレベルの問題意識に留まっているようです。
極端な話、「こういう番組作りは大っ嫌いだけど、言論への事前検閲のような行為は断固拒否しなければならない」という人々がたくさん出てくることこそが、民主主義の良識の証明になると思うのですが・・・。

自分の物差しで他人の偏りを指摘するだけでなく、自分の偏りと他人の偏りを同じように保障し合うことが民主主義の出発点。
そのことを改めて確認するためにも、安倍氏の発言をうやむやのまま容認してしまうことだけは避けなければならないと思います。
でなければ、日本は「民主主義」国家だなんて、胸を張って言えなくなってしまいますよ。
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by hirokira1 | 2005-01-17 00:26 | Cafesta過去ログ
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